プリンターのトラブル・設定
プリンタートラブルの処方箋
当社は、現在ネット通販とシステム開発を事業の柱にしています。
以前は、企業向けの基幹システムを主に開発しておりました。
システムという仕事はシステムを組んで終わりではなくて、組んでからが本当の仕事になります。
システムを組むという仕事の本質は、データの入力から出力に関わるすべてを対象にしているため、その守備範囲は大変広いものがあります。
よく、システムエンジニアはパソコン全部に詳しいように思われがちですが、実はそうでもないです。
確かに、パソコンに強いからこそ、システムの仕事を行うようになったんですが、実際問題コンピュータという世界は奥が深いので、知らないことは山ほどあります。
まあ、それはいいとして、システムを運用するに当たって、どんな問題が一番多いのかと言うと、これが以外にも「出力」に関するトラブルなんです。
そう、基本的にシステムとは一見関係ない「印刷」に関わる部分のトラブルが最も多い。
どれぐらい多いかと言うと、全体のトラブル原因の内の8割を占めてます。
システムそのものの問題は、自分で開発しているもんですから、トラブル原因は比較的早く修復するケースが多いのですが、プリンタに関してはそういかない。
具体的に言うと、プログラムの世界では「プロパティ」という部分に情報を書いて、データと一緒にプリンターに情報を送ります。
多くの場合、「PDF」というフォーマットで送るケースが多いのですが、プログラムは実際には情報を送る作業し、後は「プリンターさんお願いします」って感じです。
それで、プリンター側で受け取った情報を自身の言語に置き換えて出力する訳ですが、この「置き換え」がいわゆる、ドライバーという仕組みです。
このドライバーが曲者なんです。
キヤノン・エプソン・リコーを初めとするメーカーは、各OSごとにドライバーを作って提供します。
そして、ユーザーはそのOSにあったドライバをインストールします。
後は、出力先(ポート)を選んで終わりです。
至って単純なんですけど、なぜか出力できなくて、私のところに連絡が来るんです。
「さっきまで印刷できてたのに、突然できなくなった」とか、「突然文字化け」がとか、「プリンタにエラー表示されて印刷できない」とか。
症状はいくつもあります。
そもそも、こちらはプリンターメーカーの人間じゃないので、すべての症状に対して「処方」できる訳ではないんです。
でも、システムですから、対処しないとダメなんですね。
ユーザーからすると、そんなの関係ない訳ですから。
でも、この仕事を20年以上やってると、大体処方できるようになります。
ということで、プリンタートラブルに関する処方箋を説明したいと思います。
たぶん、役に立つこともあると思います。
トラブルの中で最も多いケースです。
いくつか原因を上げてみましょう。
(1) IPアドレスの重複
(2) 不良データ
(3) エラーデータ
(4) ネットワーク障害
(5) ドライバの破損
(6) 突然の文字化け
(1) IPアドレスの重複
同一ネットワーク内に新しい機器を設置した際、自動でIPアドレスをふることがあります。
この際、たまたまプリンターの電源がオフになってて、新しい機器がそのIPを取得してしまった可能性があります。
このときには、お互いのIPを確認し、重複しているようであれば、新しい機器のIPを設定し直してください。
IPの設定方法は各デバイスによって異なります。
(2) 不良データ
不良データとエラーデータは意味が違います。
不良データとは、印刷に必要となる情報が揃ってにない場合のデータです。
これは、本来ならばカラーで印刷はずなのに、カラー情報が届いてないとかの問題で、多くの場合、出力しようとしたPCに問題があります。
この場合は対象PCとプリンターをそれぞれ再起動すれば直るケースが多いです。
(3) エラーデータ
エラーデータとは、PCからの情報をプリンターが読もうとしたときに、上手く読めないケースです。
情報はPCから適切に渡っています。
このときには、
コントロールパネル → デバイスとプリンター → 対象プリンターを選択後、右クリック → 印刷ジョブの表示 → 先頭にジョブを選択 → 「Delete」
の手順で再度出力してみてください。
後、ネットワークで利用している場合であれば、自信のPCだけでなく、そこを利用するすべてのPCのジョブを確認する必要があります。
ただ、最近のプリンターにはプリンター側に「ゴミ箱」ボタンが付いているものも多いので、これを使う手もありますが、順番待ちのジョブまですべて削除されてしまう
ので注意が必要です。
(4) ネットワーク障害
ネットワーク障害と一口に言っても、それはハードそのものの問題が絡むため、簡単に特定することはできません。
しかし、長年の経験でもっとも多いのが「ハブ」が原因のケースです。
上記(1)〜(3)までに原因を特定できない場合は、ハブの電源を一旦抜いて、10秒ほどして再度電源を入れてください。
(5) ドライバの破損
これら4つの処方箋でもプリントアウトできない場合、ドライバの破損が考えられます。
ドライバはプログラムなんですけど、様々なソフトを自信のPCにインストールする過程で、もともとそのドライバが利用していたDLLファイルが更新されることがあります。
このDLLとは、様々なプログラムが利用できる共通のプログラムファイルで、新しいプログラムが勝手に新しいバージョンにそのDLLを更新する可能性があります。
このとき、もしプリンタードライバが古いDLLのバージョンの開発している場合、ドライバは破損してしまいます。
ほとんどの場合は、一旦該当するプリンタを削除し、最新のドライバで再度プリンターを作れば解決します。
以外にもこのケースは多いです。
(6) 突然の文字化け
このケースも非常に多いですね。
原因は簡単です。
ドライバがデータの最初の一文字目を読めなかったか、(5)のドライバが破損している可能性があります。
処方箋とすれば、(2)(3)の両方を行えば問題ないです。
また、外字や、登録外文字を使われてる可能性もあります。
出力しようとしたデータにいつもと違う文字が使われていないかどうか確認してください。
一旦(2)(3)の処方を行った後、データを作り直してみてください。
これら6つの対処で解決しない場合は「プリンタ」そのものが故障している可能性があります。